株価と為替予測の通信簿(上)
2007年の総決算 やっぱりサブプライム「甘く見すぎた」

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   毎年のように年初を飾る経済モノ企画に、株価や為替の予測がある。優秀なエコノミストらが豊富で広い情報網を駆使し、緻密な分析力で「判定」する。ところが、そんなプロが予測してもなぜかあんまり当たらない。2007年を見通すのは、とくにむずかしかったようだ。年初に予測した株価と為替(米ドル)の結果を、自らはどのように評価しているのだろう。そして、2008年はどんな予測を立てているのだろうか。

日本総合研究所は「1ドル110円前後」と予測

株価をを見通すのは難しい(写真はイメージ)
株価をを見通すのは難しい(写真はイメージ)

   ほんの1年前のことだから、思い出してみよう。2007年はなごやかに始まった。賀詞交換会に集まった大手企業のトップらは、株価で2万円をも見通し、意気揚々としていた。それが、下期はガラリと一変。こんなことも、ここ数年ではめずらしいことだった。

   原因は、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題だ。サブプライム問題が日本で表面化してきたのは3月ごろ。米連邦準備理事会(FRB)が、サブプライム住宅ローンの審査の厳格化を要請したり、米サブプライムローンの大手、ピープルズ・チョイス・ホーム・ローンが破産法を申請したことが伝わって、「これは」となった。

   しかし予兆はあって、06年12月には米国の中堅住宅ローン会社のオウニット・モーゲージ・ソリューションズが新規融資を停止した。07年2月には英国金融大手のHSBCがサブプライムローンの不良化で消費者金融部門のトップを更迭するとの報道があったことを忘れてはならない。 

   そして8月、仏金融大手BNPパリバが傘下のサブプライム関連ファンドを凍結。その翌日の東京株式市場は大幅に下落し1万6764円に。その後もさらに下げた。外国為替市場も1米ドル111円台まで下がった。溜まっていた不安材料が一気に噴出し、大荒れとなった。

   サブプライム問題の「震度」をどこまで見込むのか、が07年末の株価と為替予測のポイントだったといっていい。さて、各シンクタンクの予測はどうだったのか。

   2007年12月28日の株価は1万5307円78銭、為替は1ドル112.94-112.96円だった。

   日本総合研究所では、2007年末の株価水準を「1万8000円前後」と予測していた。しかし、実際には予測を大きく下方に乖離した。IT在庫調整の一巡、新興国主導の輸出好調による循環的な景気上向き局面に入ったところは予測どおりだったが、「米国の住宅市場の調整が深刻化したこと、サブプライム問題による金融混乱、『悪い円高』ドル安は予想外だった」という。

   為替は「1ドル110円前後」を予測。こちらは予想の範囲内。結果的にほぼ的中ながら、「尻上がりの国内景気の回復と、金利や株価の先高感を主因とする『よい円高』を想定していた」と説明した。予測は予測。もちろん、結果オーライはありだ。

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