未確認飛行物体(UFO)について官房長官が「個人的には絶対いると思っている」、防衛大臣が「UFOはいるかもしれない」と発言したことをめぐり、インターネット上では「対処するのは当たり前」「いい加減にしろ」などの賛否両論の声が上がっている。もっとも、海外では「日本はUFO戦略に欠けている」「エイリアンが襲来したときに何をなすべきか計画がない」という指摘もある。
麻生太郎氏も地球外生命が存在すると思っている
UFO防衛策は必要?(UFOはイラストです)
「UFO論議」の発端は、民主党の山根隆治参院議員が「UFOについての認識」を質問主意書でただしていたことについて、政府は2007年12月18日の閣議で「UFOの存在を確認していない」との答弁書を決定したことに始まる。町村信孝官房長官が同日に「個人的には、こういうものは絶対にいると思っている」と「ナスカの地上絵」の例を挙げて説明。どこまでマジメだったのかは不明だが、今度は石破茂防衛相が07年12月20日の閣議後の記者会見で、個人的な見解として「UFOはいるかもしれない」と大マジメに語り、UFOが襲来した場合、自衛隊が出動する法制面の対処の仕方を考察するとの立場を示したのだ。
「存在しないと断定し得ない以上それ(UFO)はいるかもしれない。少なくとも『いない』と断定するだけの根拠を私は持っていない」
「よくゴジラの映画があるじゃないですか。ゴジラでもモスラでもなんでもいいんだが、あの時に自衛隊が出ますよね。ゴジラがやって来たということになれば、これは普通は災害派遣なんでしょうね。そりゃそうだって」
「ゴジラでもモスラでも大体同様であろうかなと思いますが、これがその、UFO襲来となるとですよ、これは『災害派遣』なのかね、ということになるんでしょうね」
ちなみに、石原都知事は2007年12月21日の会見で「(地球には)UFOは飛んでこない」との見方を示している。
実はこの「UFO論議」、質問主意書を提出した山根議員のメールマガジンによれば、05年3月の時点で政府・総務委員会でも議論されていたらしいのだ。山根議員は同委員会で、行政改革、地方分権、情報通信政策について質問したようだが、質問が終わってから何人かの議員仲間に党派を超えてUFOについて声をかけられたという。
「UFOとの遭遇の機会を未だ私は得ていないが、麻生総務大臣は答弁の中で、『私の母はUFOを見たと興奮していたことがあった』と語った。そして銀河系全体では2,000億個もの星があり、更に宇宙全体では2,000億個もの星からなる銀河が1,000億個以上もある(名古屋大学の福井教授)というのだから、人類以上に高度な文明を持った生命体が無い、という方が不自然に私は思うが…と大臣に振ったら、自身の天文学上の知識を披瀝しながら『私もそう思っている』と答えた」
となると、どうやら麻生太郎議員も「地球外生命が存在する」と思っていたようなのだ。メルマガによれば、UFOについては「10~15分位」話し合われたという。