マザーズ、ジャスダックから東証1、2部に 「指定替え」の動き加速

1部上場ならメディアへの露出も多く、投資銘柄も選定しやすい

   個人投資家にとって、東証第1部とマザーズが「分かれてある」ことのメリットは、市場によってリスクの大きさが異なることだ。新興市場の株価は総じて、急騰する可能性も高ければ、急落する可能性も高い市場だ。「市場によってリスクの大きさが違うので、そのあたりを判断材料に使って投資している人は少なくないでしょう」(岡三証券アナリスト・宮本好久氏)と話す。

   しかし、現実には銘柄の「指定替え」は増えている。東証や大証の第1部に上場するような企業であれば、メディアへの露出も多く、得られる情報量も多く、投資銘柄も選定しやすい。「個人投資家は、銘柄から入るケースがほとんど」(大証)なので、おのずと情報量の多い東証1部や大証1部に上場する銘柄を選ぶというわけだ。

   取引所からみれば、「上場物件(銘柄)こそ勝負」(大証)だし、企業からみれば個人投資家に選んでもらえる東証や大証の第1部に「身」を置きたいとなる。ある証券関係者は、「企業も個人投資家を無視できなくなった。積極的に(個人投資家に)株式をもってもらおうという考えに変わり、そのためにできることなら何でもしたい」という。指定替えはその現われのひとつのようだ。

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