東京都内や横浜市、川崎市のタクシー運賃が初乗り660円から710円に値上げされてから半月ほどが過ぎたが、早くも「客離れ」の兆候が表れた。東京地区のタクシー会社約380社が加盟する東京乗用旅客自動車協会(東旅協)によると、2007年12月3日から9日の7日間の1日1台あたりの運送収入は5万1335円で前年同期比3.6%減少した。利用者数は同13%減。都内のタクシー会社によると、「このまま客離れが根づいてしまう恐れがある」と深刻に受け止めている。
値上げして1週間で3.6%減収
値上げでタクシーの客離れが進んでいる(写真はイメージ)
東京・新宿の靖国通り。にぎやかな歌舞伎町に近いこの通り沿いには、深夜終電を逃したサラリーマンなどがタクシーを待つ姿が目立つ。週末などは拾うのに苦労することも。しかし、最近はけっこう簡単に拾え、列を成しているのはタクシーのほうだったりする。
東京を走るタクシーの台数は、436社の5万4295台(06年3月31日時点、東旅協調べ)に上る。12月3日からの値上げは、初乗りが50円アップの710円。走行距離で加算される運賃も10円増えて90円となった。深夜割増運賃を1割引き下げ2割増したが、適用時間帯を1時間前倒しして午後10時からに変更した。
賃金水準の低いタクシー運転手の労働条件改善やガソリン価格の高騰などの影響で、国土交通省が値上げを認めた。
東旅協が12月3日から9日に調査したところ、輸送回数が51万2271回で前年同期比10%減。利用者数(輸送人数)は69万4830人が利用したが、同13%減少した。1日1車あたりの走行距離で5.1%減(266.2キロメートル)、運送収入は3.6%減少した。