生ゴミ、生米くらって餓死免れた! 鬼母に遺棄された5歳の「地獄絵」

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   幼い長男(5)と三男(当時1)を自宅に1か月以上置き去りにし、三男を死亡させて死体を遺棄したとして、母親に懲役15年の判決が下された。生き延びた長男は生の米や生ゴミ、冷蔵庫にあったマヨネーズで飢えを凌いでいた。2人とも「死んでいる」と思って自宅に帰った母親に、長男はそれでも、「ママ遅いよ」と駆け寄った。

「ママ、遅いよ」と駆け寄る長男の哀れ

   苫小牧市の自宅に幼い長男と三男を1か月以上放置し、三男を死亡させて遺体を遺棄したとして、殺人と死体遺棄、保護責任者遺棄の罪に問われた無職・山崎愛美被告(21)の判決公判(杉浦正樹裁判長)が2007年12月18日、札幌地裁室蘭支部でひらかれ、懲役15年(求刑懲役20年)が言い渡された。裁判長が「幼い兄弟の飢えと苦痛は想像を絶する。計画的で非情で残酷な犯行」とまで形容した、「置き去り」のおぞましい実情とはどんなものだったのか。弁護側は「(被告の)不幸な生い立ちや、経済的な困窮」を挙げて情状酌量を求めていたが、判決や各紙の報道などから見える事件の実態はまさしく「地獄絵図」である。

   事件は山崎被告が06年10月30日、自宅に鍵をかけた時から始まる。山崎被告は長男と三男の存在を疎ましく思い、部屋に放置して餓死させることを考えた。山崎被告はチャーハンを食べさせたあと、12月初旬まで交際相手の家に行ったままで2人を放置。1か月間以上あとに再び自宅の鍵を開けるまで、2人の幼子は飢えのなかで苦しんでいた。幼い三男は餓死したが、長男は生の米や生ゴミ、冷蔵庫にあったマヨネーズを食べて命をつないでいたという。

   山崎被告は裁判のなかで、長男が生きていることに驚き、長男は「ママ、遅いよ」と駆け寄ってきたと証言している。その後、山崎被告は三男の遺体を交際相手の家にある物置に遺棄した。 自分を放置したにも係らず「ママ、遅いよ」と駆け寄る長男の姿はなんとも哀れだ。しかし、生きていた長男にとっては、弟の遺体を横に生活した体験は地獄ともいえる。

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