サッカー日本代表イビチャ・オシム監督が脳梗塞で緊急入院したことをめぐり、早くもオシム監督の「後任監督」の名前が浮上している。なかには、浦和レッズのホルガー・オジェック監督が次期代表監督に「内定した」といった報道も飛び出し、ファンにも混乱を生じさせているようだ。「後任監督」はいったい誰?
オジェック氏を後任に内定という報道も
浦和レッズはHPで「オジェック内定」報道を否定している
オシム監督が2007年11月16日に脳梗塞で順天堂浦安病院に搬送されてから4日ほどたった。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三専務理事は2007年11月19日に、「第一の山場を越えて予断を許さないものの、徐々に回復に向かって前進しています」との医師の所見を公表しているが、協会は現代表チームの大熊コーチを監督代行とし、合宿などを実施する模様だ。
「代表チームどうのこうのより、命を取り留めてほしい」――川淵三郎キャプテンの涙ながらの発言もあったが、08年2月からは2010年南アフリカW杯アジア3次予選が始まることもあり、日本サッカー協会は決断を迫られている。オシム監督が入院した翌日に、TBS系番組でサッカー解説者の金田喜稔氏が「個人的な見解」として、
「(W杯予選など)この先のプレッシャー考えたら、協会の立場として考えた時には、監督を代えさせていただくという決断をせざるを得ないんじゃないか」
と述べるとおり、脳梗塞は66歳という高齢のオシム監督にとっては深刻な病気。仮に回復しても、麻痺状態などを治すために長期のリハビリを強いられる可能性もあり、現場復帰は非常に厳しい状況だ。そんなこともあり、各メディアでは早くも「後継監督」をめぐる報道が過熱し始めているのだ。
複数のメディアでこれまで「有力候補」として名前が挙がっているのは、元日本代表監督の岡田武史氏、ガンバ大阪の西野朗監督など。しかし、2007年11月20日の「スポーツ報知」は、「関係者の話」として「最終的に監督交代が決まった場合、(協会が)オシム・サッカーを継承できる人物の推薦も要請する考え」とオシム監督に「後継指名権」があることを報じるなど、情報が錯綜している。 そんななか、2007年11月20日のニッカンスポーツは、
「同監督(オシム監督)の現場復帰が難しい場合に備え、カナダ代表監督や国際サッカー連盟(FIFA)技術委員などを歴任したオジェック氏を後任に内定した。すでに打診を済ませ、同氏も就任に前向き」
と報じた。同紙によれば、オジェック氏はオシム監督と親交が深く、サッカースタイルも似ており、「『オシム流』を継承するには最適な指揮官」(同紙)ということらしい。