放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会」が、バラエティー番組の「罰ゲーム」などのシーンで、出演者の心身に対する暴力・性的表現が過激化する傾向があるとして、各テレビ局に改善を求めた。行き過ぎた「罰ゲーム」の自主的な自粛を求める内容だが、実はBPOに同様の理由でお灸を据えられた過去もある。
「バラエティ番組に過激化する傾向が見受けられる」
BPOはバラエティー番組の「罰ゲーム」を問題視している
BPOの「放送と青少年に関する委員会」は2007年10月25日、バラエティ番組の「罰ゲーム」に代表される「出演者の心身に加えられる暴力・性的表現」について、青少年の人間観・価値観を形成する上で看過できないとして、各テレビ局に遺憾の意を表明するとともに今後の対応を求める見解を発表した。
この見解では、番組名や具体的な「罰ゲーム」の内容については触れられていないが、現在放送中のバラエティ番組で、若干の改善が見られるものの、あるものに関しては時を追うごとに過激化する傾向が見受けられる、としている。また、視聴率が高いとされるバラエティー番組については、視聴者から批判的な意見が寄せられるほか、同委が設置したモニター会議のなかで、参加した中学生からも「出演者をいたぶる」暴力シーンについて、一様に不快感を示されたという。同委は、放送されている内容や表現はすべて「社会的に肯定されている」と受け止められやすいとして、
「人間を徒に弄ぶような画面が不断に彼等の日常に横行して、彼等の深層に忍び込むことで、形成途上の人間観・価値観の根底が侵食され変容する危険性もなしとしないので、これらの動きが今後とも増幅されることのないよう一考を促す」
と指摘している。さらに、同委の要望が繰り返し無視されるようなことがあれば、「メディアの自浄作用を疑わせる結果を生む」とまで述べられており、「罰ゲーム」などについての改善を強く求める内容になっている。