ビールなどに見られる「プレミアム戦略」が加速するなか、今度は「のり」にも高級化の波が押し寄せつつある。佐賀県では県産のりブランド「佐賀のり」に、さらに高級ブランドを設定した。県内生産量のわずか0.03%しか認定しないという「超レア商品」だというのだ。
「佐賀のり」「福岡のり」とブランド化が進む
全国海苔貝類漁業協同組合連合会がまとめた「ノリ業界の現況」によると、2006年度に国内で生産されたのりは95億7,300万枚。そのうち、最も出荷量が多かったのが佐賀県で21億3,000万枚。2位以下は兵庫県(16億1,500万円)、福岡県(14億9,900万枚)、熊本県(10億1,700万枚)が続く。つまり、国産のりのかなりの部分が、「有明海産」とも言える。だが、国産ののり加工品は「●●県産」といった原産地表示の義務がないため、単に「国産」とされるか、福岡県産や佐賀県産のものは「有明のり」と、ひとまとめにされることが多かった。そんな状況に対して、韓国や中国からの輸入品が増加していることもあり、他産地との差別化が急がれてきた。
そのため、以前から佐賀県では県産品を「佐賀のり」としてブランド化しているほか、06年には福岡県でも「福岡のり」ブランドが誕生、07年2月からは一般消費者への直販を始めた。
そんな中、「佐賀のり」の中に、さらに「超高級ブランド」が誕生するというのだ。佐賀県と同県有明海漁業協同組合が約1年かけて検討をすすめ、07年10月11日に、方針を大筋で合意した。
新ブランドの名称や認定基準は07年11月に発表される予定で、新ブランドを名乗ることが許されるのりは、最大72万枚。佐賀県全体の生産量から比べると、わずか0.03%の「超難関」ということになる。さらに、同漁協によると、「出来具合によって認定基準をゆるめることはない」とのことで、不作の時には、さらに「レア度」が上がりそうだ。