京都大学の尾池和夫総長がプロデュースしたレトルトのカレー「総長カレー」がバカ売れしている。年間5000食の販売を目標にしていたが、2007年9月1日に販売を開始したところ、17日まで初期生産の3000食が完売した。急遽追加生産を始めたが、注文に追いついていない。
「総長を身近に感じたい」という学生の要望で実現
「京都生活」の商品紹介ページにも「品薄」との注意書きがある
もともと「総長カレー」は京大吉田キャンパス内のカフェレストラン「カンフォーラ」の名物メニュ-。販売を開始したのは05年11月からだが、その生い立ちが変わっている。まず、京大の学生達から「総長を身近に感じたい」という要望が出た。地震学者で俳句が趣味の総長は、その温厚な風貌もあってかなり学生に人気なのだ。そして、総長がカレー好きなことがわかり、「身近」なものとしてカレーが選ばれた。その後、学生と「カンフォーラ」スタッフがカレーの試作品を作り、総長に食べてもらって意見を聞いた。そして総長が販売のGoサインを出したのが現在の「総長カレー」なのだという。
「総長カレー」一食分は牛肉125グラムを使い、香味野菜と8種類の香辛料とトマトで仕上げたルーが特徴。「カンフォーラ」の場合、カレーにかけるごはんは白米か五穀米を選ぶことができ、値段は税込みで、シーフードカレーが682円、ビーフカレーが714円、ステーキカレーが787円。販売開始直後から話題になって、月間で6500食ほどの注文があるのだという。「カンフォーラ」はJ-CASTニュースに対し好調の理由を、
「学生には多少値段が高いと言われることもありますが、牛肉を125グラムも使っていますからね。かなり満足していただける一品だと自信を持っています」
と話している。学生ではない人達も食べに来るのだという。
そんな「総長カレー」がレトルトで発売されるきっかけになったのは、地元のテレビ局KBS京都の物販サイト「京都生活」の立ち上げだった。KBS京都デジタルメディア局によると、サイトのうたい文句は京都に特化した商品。同社の中澤隆司社長も京大出身で、話題になっていた「総長カレー」を食べに行き、
「話題性もあり、味もいい」
とし、レトルトの発売交渉を社員に命じたのだそうだ。