日払い、しかも15分単位の細切れ勤務もOKという臨時アルバイト雇用制度を、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンが07年秋から順次全国で本格導入する。経験者に限定しているものの、人手不足対策として打ち出したものだ。従来方式のままではアルバイトが十分に集らないという危機感が背景にある。
「やばいくらいバイトが足らないです」
人手不足を感じる企業が多いという調査結果を公表している厚生労働省のHP
セブンイレブンによると、アルバイトの確保が難しいのはほぼ全国的な傾向だ。従来募集していた勤務時間は、日中や深夜ごとに8時間前後のシフト勤務を選んでもらう形式だった。支払いは月払い。新しい制度では、日払いで、セブンイレブンの店で働いたことがある人を対象に店ごとに登録してもらう。
急に人手が要るときに店から連絡が入り、都合が合えば勤務する。バイト料はその日のうちに払う。
1店あたり必要なアルバイトの数は、店舗ごとに異なるが、平均すれば20人前後が必要だ。勤務時間の長さは店とバイト本人との調整次第だが、原則15分からの勤務が可能になる。もっとも広報担当者によると、基本的には「1時間から」という運用をイメージしている。「1時間だけなら勤務できるという人も、忙しい時間帯の店にとっては貴重な存在になってきている」
インターネット上のブログをみても、コンビニ店長を名乗る人たちのバイト確保に対する苦労が垣間見える。「今週はやばいくらいバイトが足らないです。(略)なんとか内2日は今朝から電話しまくってバイトの都合をつけました。あと2日をどうするかなんですよね~かなりもうムリポな感じがただよってます。だれかヘルプミー」(「店長日記 人手不足だったりコンビニ」07年1月)、「Y店長から電話がありまして、新店はかなり人手不足とのこと。どっかの曜日の夜勤がいないらしく今だに(原文ママ)シフト表上は空欄だとか・・・(略)それ以外の時間も薄いと言ってました」(「コンビニ店長の独り言」06年7月)などだ。
厚生労働省が発表した07年5月の労働経済動向調査をみても、パートタイムの人手不足を感じている企業は多い。調査対象企業のうち、人手が「不足」と答えた割合から「過剰」と答えた割合を引いた「過不足判断指数」は、全産業で26だった。指数がプラスなほど不足感が強いことになる。コンビニを含む「卸売・小売業」の指数は46と「飲食店、宿泊業」の55と並んで突出して多かった。06年11月の調査と比べると、全産業では3ポイントの上昇だったのに対し、「卸売・小売業」は15ポイントも上がり、人手不足感が加速していることがうかがえる。