サブプライム・ショックの余波 外国人持ち株比率の高い企業は「買い」なのか

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   米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題で混乱した金融市場は、FRB、米連邦準備制度理事会が2007年8月17日に公定歩合を年6.25%から5.75%に緊急引き下げをしたことでひと息ついたが、欧米の機関投資家や投資ファンドの損失は小さくない。これまで日本の株式市場を支えてきた外国人投資家だが、「ファンドが売れるもの、換金できるものを叩き売って損失を埋めたのが今回の金融ショック」(エース証券リサーチ本部の坪内建・副本部長)で、日本の株式市場も例外ではなく、一たん資金を引き揚げたようだ。

株価はどう動くのか(写真はイメージ)
株価はどう動くのか(写真はイメージ)

   8月8日以降に一気に広がったサブプライム・ショック。いまは落ち着きを取り戻しつつあるが、まだその火種はくすぶっている。エース証券執行役員リサーチ本部の坪内建・副本部長は、「過去の金融ショックをみると、急落したあと、5日ほどは反発する。そして、また下げる傾向にある」という。

   サブプライム・ショックが深刻化するようだと、外国の機関投資家や投資ファンドが日本の株式市場から資金を引き揚げるのは、むしろこれから本格化するともいえる。そうなれば、外国人持ち株比率の高い企業ほど影響は大きくなり、株価下落の可能性も高まる。

ブラックマンデーのときも直後の1週間は買い場だった

   外国人持ち株比率が50%を超えている企業には、日産自動車やヤマダ電機、ドン・キホーテ、富士フイルムホールディングス、ソニー、日東電工、キヤノン、ローム、オリックス、イーアクセスなどがある。たとえば、41.4%を外国人投資家が占める、半導体や液晶製造装置メーカーの東京エレクトロン。同社が7月27日に発表した07年4-6月(第1四半期)の業績(連結)は、売上高2124億円で前年同期比18.6%増加、当期純利益も261億円で同60.9%もの増加と好調なのに、7月23日に1株9,000円を付けていた株価は8月17日には7,610円まで下げ、8月23日には8,030円に戻し、その後8,000円前後をうろついている。

   もともと外国人投資家が保有する銘柄企業の業績はおしなべて悪くはない。配当もよかったりする。このような会社は少なくなく、「今が買いだ」という人もいる。

   坪内氏によると、金融ショック時の「買い」の判断は、「景気後退にならない局面かどうかの見極めが大事」という。過去、ブラックマンデー(1987年10月)のときも直後の1週間は買い場だった。

   ただ、今回のサブプライム問題では、「不確定要因がたくさんあって、いまのところ判断できない」(坪内氏)むずかしい局面にあるという。

   ちなみに、8月27日の東京株式市場は1万6,000円台に乗せている。

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