カルト教団?元社保庁職員? トイレ1万円札「主」の正体

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   北海道から沖縄までの市役所のトイレなどで「なぞの1万円札」が次々発見され、話題を呼んでいる。筆跡や文面から同一人物らしい。単に、世間を騒がせたかったのか。それとも、「カルト教団関係者だ」「元社会保険庁職員のお詫び」「公務員へ怒りを持った市民」なのか。新聞各紙やワイドショーで、動機を巡って諸説が入り乱れている。

   2007年7月に入り、秋田県庁や埼玉県庁などで現金1万円と手紙が入った複数の包みが相次ぎ発見された。そのニュースが流れると、同様の事例の報告が次々集まった。06年9月の静岡市内の霊園トイレが最初の発見例で、07年4月から急増していく。4月9日仙台市役所6万円、4月19日熊本市役所6万円、5月1日兵庫県庁7万円と続く。札幌市役所から沖縄県庁まで少なくとも18都道府県で400万円以上が見つかっている。大半は役所の建物の男子トイレに置かれている。

表には「報謝」、結びの言葉は「合掌」

「なぞの1万円」を巡る推理を繰り広げる7月12日の新聞各紙
「なぞの1万円」を巡る推理を繰り広げる7月12日の新聞各紙

   1万円と一緒に同封されている手紙が「推理」の手がかりだ。いずれもサインペンのようなもので手書きされ、文案もほぼ同じとされ、同一人物が書いたと見るのが妥当なようだ。「本日御来場の貴殿へ」「同封の遺産金一万円を修行の糧としてお役立て下さい」「善き行為に励んでいって下さい」「そうすれば積善の徳を(略)」「あなたの過去とあなたの家系にまつわる罪障をも滅してゆく(略)」「お幸せになって下さい」などとつづり「合掌」と結んでいる。包みや封筒の表には「報謝 一人一封」と書かれている。

   手紙の「主」について、各メディアは7月12日にこぞって推理を紹介している。共通しているのは、年配の男性という点だけだ。公開された手紙の文字から受ける印象や男子トイレから多く見つかっていることによる「定説」だ。
   「報謝」「罪障」「合掌」などの言葉から「宗教関係者説」を唱える人たちがいる。宗教ジャーナリストの青山央さんは、朝日新聞紙面で、「(言葉の使い方が)稚拙すぎ、仏教の本質からはほど遠い」として「仏教系新宗教か霊能者に師事した人では」との憶測を示した。読売新聞朝刊では、秋田県警関係者が「宗教関係の人か」との見方を示している。

   同じ宗教関係でも「カルト宗教によるものだと思います」との見方を示したのは、警視庁OBでの評論家、北芝健さんだ。スポーツ報知で、「喜捨という形でお金を捨てることで、罪が清められて徳が高くなるという意味があります」と指摘、「全国的な広がりからいって、小グループで同じ志を持つ人が一斉にやったと考えられます」と「複数人説」も唱えた。

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