日本輸血・細胞治療学会などでつくる「宗教的輸血拒否に関する合同委員会」は2007年6月上旬、宗教上の理由で親が輸血に反対しても、15歳未満の場合は輸血を行うとする指針の素案をまとめた。素案では固有名詞は挙げていないが、「エホバの証人」信者が輸血を拒否して死亡するケースが続いたことを受けて検討を進めてきた。今後、信者側の意見なども聞き、年内に指針をまとめる方針。座長の大戸斉・福島県立医大教授によると、同委員会は児童虐待に関する判例などを参考にして「15歳未満の輸血を親が拒否するのは親権の乱用だ」との考えから素案をまとめた。同学会はこれまで、「12歳未満」については親の輸血拒否を認めないという指針を作っており、今回はこの年齢を引き上げる方向だ。