企業のウェブサイトがサイバー攻撃を受けてアクセスできなくなった。そんな時、企業に「お金を払えばウェブサイトを修復できる」と持ちかける、なかば「ネット恐喝」のような事例が国内で初めて確認された。ウイルス感染したPCを乗っ取ってコントロール、企業のウェブサイトを攻撃し、それをネタに企業を「ゆする」手口だと見られるが、外国では、実際に「身代金」を支払ってしまう例も少なくないというのだ。
「お金を払えば攻撃を止められます」
有名サイト「ミリオンダラー・ホームページ」も「ネット脅迫」に遭った
2007年4月、サイバー攻撃を悪用して企業を脅迫したケースが国内で確認された。都内のある出版社に対して、男から「今、おたくのウェブサイトが攻撃されていますが、お金を払えばそれを止められます」という旨の連絡があり、実際に確認してみると、ウェブサイトはアクセス出来ない状態になっていたという。そして、男は「技術情報料」として60万円を要求したが、後に40万円にディスカウントされたという。
情報セキュリティーを専門とする会社「ラック」によると、このような「ネット脅迫」が国内で確認されたのは初めてで、これまでに同様の被害相談が他に2件寄せられているという。
このような「ネット恐喝」は06年ごろから英国などで相次ぎ、すでに検挙事例もあるという。ターゲットになるのはカジノサイトが多く、サイトにアクセスできないことが直接業績に響くこともあり、要求に屈して要求された金額を支払ってしまってしまうことも少なくないという。
英BBCも、06年1月に同様の事例を紹介している。
自分のサイトをピクセル単位で小さく区切り、広告として一般に売り出すことで有名となったウェブサイト「ミリオンダラー・ホームページ」も、この「脅迫」に遭ったというのだ。