「三宅島でバイクレース」 石原知事企画が頓挫

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   石原慎太郎・東京都知事が発案した「オートバイレースで三宅島復興」に赤信号がともっている。当初は「日本初となる公道で本格的なレースを開催する」として、大々的にPRされた。しかし、プロのライダーからは「安全面が不安」としてレース開催を否定され、バイクメーカーからはいまだ協力が得られていない。ネット上では開催そのものを疑問視する声も挙がっている。

プロのライダーからNG出される

当初は「バイクで島を一周」が企画されていた
当初は「バイクで島を一周」が企画されていた

   東京都は2006年12月26日、「第1回三宅島オートバイレース大会(仮称)」と名付けて、噴火で観光客が激減した三宅島の復興のためのイベント企画を発表した。島内を1周する約30キロのコースを整え、「日本初となる一般道路を使用した本格的なオートバイレース」というふれこみだった。

   大会は07年11月9日~11日までの3日間。クラシックカーを数十台用意したパレードから、著名なライダーを呼ぶエキシビション、そして参加者がタイムを競う「本格的な」レースが開催される予定だった。
   しかし、都の依頼を受けた日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が、プロのライダーにコースを調査させると、

「三宅島の公道レースは絶対的に開催すべきでない」
「公道を利用したスピードレースへの賛同はできない」

という報告があがった。どんなに安全対策をしても危険性が残るため、島内でレースを開催するなら、安全に配慮したサーキットの新規建設しかあり得ないという意見だった。これらの報告は、清水ひで子委員が07年2月23日に行われた東京都議会予算特別委員会で明らかにした。
   同日の議会で東京都総務局長は、

「プロのライダーに賛否があるのは承知している」

と認めた上で、MFJから安全対策を施せばレース開催は可能、という報告があり、開催の計画を進めているのだ、と答えた。
   しかし、07年5月21日付けの日刊スポーツはこう報じた。

「メーカー側は公道でスピードを競う方式では協力できないとしており、都側は『ごり押しはできない』としており、事実上公道レースの開催が不可能となった」
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