静岡県伊東市が、ペット問題で揺れている。ペット禁止の市営住宅でペットを飼っていたお年寄りに対し、市側が「転居するかペットを手放すか」と迫った問題で、テレビのワイドショーやネットで大議論になっている。「猫一匹飼って何が悪いの」という行政批判派と「ルール無視はよくない」派が対立、溝は埋まりそうにない。
テリー伊藤さん「猫一匹飼って何が悪いのよ」
12日放送の「スーパーモーニング」。活発な議論が交わされた。
なぜここまで議論が「盛り上がり」を見せているのか。伊東市によると、きっかけは2006年8月、猫を12匹飼っていた80歳台の男性が傷害事件を起こしたこと。猫に絡む悪臭について市から注意を受けたこの男性が、部屋が接する女性住人に対し「市へ通告した」などと思い込み、ノコギリで女性を叩くなどして逮捕されたという。
この事件を機に、市はペット禁止の徹底に乗り出した。調べてみると、事件があった団地だけでなく、市内計14団地、約1,100世帯中、55世帯が犬や猫などのペット70匹以上を飼っていた。事件以前も動物が原因と見られるアレルギー症状で転居を余儀なくされた住民もいたといい、建築住宅課は「規則を守った方が何で追い出されるの」と怒りをぶつけられたと振り返る。
2007年4月12日朝、テレビ朝日「スーパーモーニング」はこの問題を取り上げた。4月4日の日本テレビ「スッキリ!!」でも話題となり、J-CASTニュースは「ワイドショー通信簿」で取り上げた。出演者のテリー伊藤さんが「猫一匹飼って何が悪いのよ」、おおたわ史絵さんが「ご老人の方はペットをよりどころにして生きているんです」などと発言、これに対し「安易な『かわいそう論』は評価できない」「ルールの無視はよくない」など批判的なコメントが寄せられた。
一方で、伊東市役所へは以前から市への批判が相次いでいる。この問題を主に担当する建築住宅課へは「動物がかわいそう」「お年寄りに冷たすぎる」といった厳しい意見が「取りまとめする暇がないほど」寄せられているそうだ。