英国人女性が異様な状況で死亡しているのが見つかり、母国の英国でも波紋をひろげている。現地マスコミも大きく取り上げ、被害者のひととなりを伝えている。中には、被害者が英会話学校の講師だったことから、「お見合いデート」などと働き先を批判するものもあり、タブロイド紙に至っては被害者が「日本人は男性はキモイ」「不適切なジェスチャーをする」という証言を紹介するなど、「日本人バッシング」になっている。
遺体となって発見されたのは、英国籍のリンゼー・アン・ホーカーさん(22)。ホーカーさんは大手英会話学校「NOVA」で講師をしていたが、NOVAが「連絡が取れない」として2007年3月26日午後、千葉県警船橋署に届け出た。そして、同日22時ごろ、市川市のマンションのベランダの中に置かれた浴槽の中で、大量の砂に埋められた状態で発見された。部屋に住んでいた市橋達也容疑者(28)が死体遺棄容疑で指名手配された。
ホーカーさんをしのぶ「コミュ」が複数作られる
SNSには、被害者を悼む投稿が相次いでいる
00年には同じく英国人のルーシー・ブラックマンさんが日本で失踪、遺体で発見されるという事件も発生していたことから、英国マスコミの注目度も高い。英国各紙は相次いで、ホーカーさんの周辺を紹介する記事を掲載している。
タイムズ紙とデイリー・メール紙によると、ホーカーさんとは、3月24日から連絡が取れなくなっており、写真の共有機能に特徴があるSNS「Facebook」を通じてメッセージを送り続けてきた。
例えば、ホーカーさんの姉は、
「ママが日本での地震のことを知りました(私はママに、日本は地震が世界一起こりやすい地域だ、と知らせました)。ママは、あなたが怪我してないか心配しています。電話などください」
と書き、ボーイフレンドも、「連絡が欲しい。心配だ」という旨の書き込みをしている。
事件後、SNSのホーカーさんのページにはアクセスできなくなっている。だが、ホーカーさんをしのぶ「グループ(ミクシィで言うところの『コミュ』)」が複数作られ、ホーカーさんの死を悼む声であふれているほか、ホーカーさんのプロフィールページから転載されたと見られる、生前の写真を確認することができる。