ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を使用して顧客情報が流出した問題で、ヤマトホールディングス(HD)が発表したお詫び文がネット上で失笑を買っている。なんと、同社は「(Winnyで)流出したデータは、既にネットワーク上から削除した」と発表。P2P(ピア・ツー・ピア)で情報がネットワーク上に流出した場合、それを削除するのは技術的に不可能だが、それをやってのけた、とも読める。同社の真意は何だったのか?
「その技術でもうけられるんじゃね?」
ヤマトHDは「お詫び」から「既にネットワーク上から削除」を削除
ヤマトHDは2007年3月23日、Winnyを通じて顧客情報を含む個人情報160件がネットワーク上に流出したと発表した。流出した顧客情報は、2001~02年に引越しサービスを依頼した客の名前、住所、電話番号など。ヤマト運輸の引越し事業を行っている北信越ヤマトホームコンビニエンスの社員1名が、業務資料作成のため、営業実績などの過去資料を自宅の個人用PCに持ち出し、Winnyを通じて2006年4月以降にネットワーク上に流出したという。
ヤマトHDは、こうした経緯を説明する「お詫び」をネット上で公表したが、それには「パソコンから流出させたデータは、既にネットワーク上から削除しております」という「謎」の一文が含まれていた。
Winnyによる情報流出は、コンピュータウイルスに感染し、感染したパソコン内の情報(メールデータ・各種ファイルなど)がWinnyネットワークに公開されるところから始まる。いったん漏えいした情報ファイルは、さまざまなコンピュータ上に保存され、バケツリレー式に各ユーザ間を直接流れるため、流出したデータは、もちろん回収したり、削除することは不可能だとされている。にもかかわらず、「既にネットワーク上から削除」とヤマトHDが発表したため、ネット上で波紋を呼んだ。
「だてにヤマトとか名乗ってないな」「もしできるなら、その技術でもうけられるんじゃね?」「一度ネットワーク上に流れたファイルは不特定多数の人が保存できるそれを全て消すなんて不可能」「運送が本業のヤマト運輸にこんな事されたら ネットエージェントは商売あがったりだな」
ネット上の掲示板2ちゃんねるでも反響を呼び、失笑を買っている。