「ネットカフェ難民」とは「隠れたホームレス」だ

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   「ネットカフェ難民」という若者の貧困層の存在が深刻になっている。「日雇い派遣」などで働くが、低賃金のためアパート代も払えず、インターネットカフェで寝泊まりする。国会でもこの「ネットカフェ難民」問題が取り上げられた。実態はどうなのか。

   2007年3月16日付けの「しんぶん赤旗」によると、3月15日に開かれた参議院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃参院議員が柳沢伯夫厚生労働大臣に対し、「(ネットカフェ難民の)現状をどう思うか」「実態調査が必要だ」などと、訴えた。小池議員は、実態の一例として、日給は6,000~8,000円で深夜手当ても社会保険もないとし、ネットカフェで寝泊りしている人の実態を示したという。

   柳沢厚労相は、

「健康や安全管理、正規雇用を増やしていくという立場からすれば(ネットカフェ難民は)好ましくない」

としながらも、実態調査が可能かどうかについては、今後検討したいと述べるにとどまった。

コインロッカーを毎日2つ使い、全財産を収納

日本テレビ系の「NEWS ZERO」では、「ネットカフェ難民」を「隠れたホームレス」と表現した
日本テレビ系の「NEWS ZERO」では、「ネットカフェ難民」を「隠れたホームレス」と表現した

   07年1月28日に「NNNドキュメント」(日本テレビ系のドキュメンタリー番組)などが取り上げた。その後も日本テレビでは、続けて「ネットカフェ難民」を取り上げており、たとえば07年3月7日の「NEWS ZERO」でも、「隠れたホームレス」として実態が紹介された。

   ――大田区蒲田に、夜な夜な大きな荷物を抱えた若者が集まるという。ネットカフェの利用料金が、都内でも格段に安いからだ。
   ある青年は、1日200円のコインロッカーを毎日2つ使い、全財産を収納。その後、時間をつぶし、夜遅くにネットカフェに入る。滞在時間を短くし、節約するためだ。1時間100円。店内で弁当を食べるが、1回で食べきらないよう、夜と朝の分を2等分して食べる。翌朝、早くから「日雇い派遣」の仕事に出かける。会社からはメールで管理されており、

「16532(青年の職務上の番号)仕事現場に向かいます」
「16532集合場所に到着しました」

などの報告を行う。この「日雇い」仕事が無ければ、ネットカフェに泊まることもできず、食事もとれない。まさに「隠れたホームレス」なのだ。
   番組はこう伝えた。

   「NPO自立生活サポートセンター・もやい」で「ホームレス」の生活支援を行う湯浅誠氏は、ネットカフェやサウナで生活する若者を、

「『自分の権利としての住居を持たない』という意味で『ホームレス状況』にある」

とし、実際に彼らから相談を受けたり、彼らがアパートで生活を始められるよう支援を行ったりしているという。

   実情を聞くために、蒲田に10軒前後あるといわれる「ネットカフェ」のうち、「格安」といわれる数店舗にJ-CASTニュースがあたると、「取材には一切答えられない」という回答だった。

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