国内企業が運営するインターネット上の仮想3次元空間「splume(スプリューム)」(βサービス)が2007年3月20日に公開された。公開初日には、アクセス数殺到のため登録が一時できなくなるトラブルが起こるなど、その注目度は相当な高さだ。一方、近々日本語版が公開されると言われる米リンデン・ラボが運営する「セカンドライフ(Second Life)」には日本企業も続々と参入、一種のブームになっている。「splume」はセカンドライフをしのげるのか?
他の3次元空間と次々にリンクできる
国産3次元空間「splume」ではチャットが盛んだ
スプリューム(Splume)がセカンドライフと異なるのは、ユーザーが持つWebサーバに3次元空間を構築でき、他の3次元空間と次々にリンクできるほか、個人や法人のコンテンツなどに接続することが可能であるところだ。運営会社のスプリュームは「誰でもが空間配信できる『開かれた世界』」だとPRする。運営会社は、アバター用のパーツの販売や企業向けの空間製作・技術提供で収益を上げる、という仕組みだ。
では、実際のところ、どんな空間なのか?米国発のセカンドライフにややハマり気味の記者もスプリュームをインストールし、取材を試みた。
「HUB(ハブ)」と呼ばれるアバター(ネット上の分身)を3次元空間の中で動かすという点ではセカンドライフと同じ。しかし、リリースから間もないせいか、初心者のユーザーが多く、自分と同じ姿のアバターに多く出会う。とりあえずズボンをブルーに替え、「茶髪」にしてみる。
さっそく「Future City」に移動してみた。こちら街の様子はファンタジックな印象。アニメのキャラクター、動物のようなアバターなども多くいる。一方、「Rock Town」と呼ばれる空間では、現実世界のような街が広がり、広告をクリックするとその会社のページのウィンドウが開く仕掛けもあった。セカンドライフの画一化された空間とは異なり、「いろんな空間」が共存しているというイメージだ。
スプリュームの大きな特徴は専用ブラウザ「CRブラウザ」を使う点。チャットのウィンドウ、プロフィールのウィンドウが次々に開くほか、空間ごとにURLとその名称が表示され、動作や移動がスームーズにできる。
そして、チャットにテクストを入力すると、漫画の「ふきだし」のようにアバターの上に表示され、大人数でチャトしていても、誰がどの発言をしているのかすぐ分かる。また、アバターの動作や感情表現(泣く、首を振る、じゃんけん)などもウィンドウに表示されたボタンを押すだけでできる。しかも、「日記」や「フレンズ(友人)」機能も活用でき、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)的な機能も兼ね備えているのが新しい。スプリュームの住人の評判も上々だ。