「DQN」は名誉毀損 2ちゃん語が危ない

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   「DQN」(ドキュン)と書き込むと名誉毀損になり、書き込んだ者の個人情報が開示される――こうした内容が「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」に盛り込まれた。ネット上の巨大掲示板2ちゃんねるで頻繁に書き込まれるのがこの「DQN」という言葉。そうすると、2ちゃんねらーの個人情報が次々に開示されてしまう、なんてことになるのだろうか?

   テレコムサービス協会電気通信事業者協会日本インターネットプロバイダー協会の3団体で構成されるプロバイダ責任制限法ガイドライン等協議会は2007年2月26日、「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」を発表した。

「常識の欠けた」「低脳」といった意味を含む中傷の言葉

2ちゃんねるでよく見る「DQN」で名誉毀損の可能性も…
2ちゃんねるでよく見る「DQN」で名誉毀損の可能性も…

   このガイドラインは、プロバイダ責任制限法の第4条に記載されている「発信者情報の開示請求等」について、分かりやすくまとめたもので、ネット上で違法なカキコミや権利侵害などがあった場合、プロバイダーなどがどういった対応をとるべきかを示したもの。
   なかでも、眼を引くのは、「DQN」という「2ちゃんねる用語」や「バカ息子」「無能恫喝社長」といった言葉がこのガイドラインのなかで、「名誉毀損、プライバシー侵害」の項目に、例として盛り込まれている点だ。

   2ちゃんねるで頻繁に使われている「DQN(ドキュン)」とは、「常識の欠けた」「反社会的」「低脳」といった意味を含む中傷の言葉で、「目撃ドキュン!」というテレビ番組が由来だとされている。ガイドラインでは、「発信者情報開示」につながった判例を挙げている。

「航空旅客の手荷物運搬や宅配業務及び労働者派遣などを行う会社の代理人であるA弁護士について、会社が労働者を低賃金で酷使していながら給料を踏み倒したりして儲けて豪華なビルを建てているといった内容とともに、A弁護士についても『DQN』『あんたそろそろ自分自身にも弁護士をつけたほうがいいんじゃない?』『卑怯』『・・が弁護士だということが信じられない』などといった書き込みがなされた事案」

   これについては、原告の社会的な価値を低下させるとして「名誉毀損」に認定。実際に、この書き込みを行った者の個人情報が原告側に開示されたという。
   それでは、こういったカキコミをすると、即座に発信者情報開示になるのだろうか。テレコムサービス協会サービス倫理委員会の桑子博行委員長はJ-CASTニュースの取材に対し、

「(このガイドラインは)これまでの判例で明白になったことと、それについて対応する手順を明確にしたもの。プロバイダなどに強制するものではないので、即座にそう(「DQN」と書き込んで実名開示に)なるということではない」

   といい、あくまでもプロバイダ側に判断が委ねられていることを強調した。

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