マイクロソフト(MS)の新OS(基本ソフト)「ウィンドウズビスタ(Windows Vista)」の個人ユーザー版が発売されてから20日ほど経った。「待望の新OS」ということがあって、最初こそ爆発的な売れ行きだったようだが、ここへきて、すでに人気に陰りが出始めている。関連ソフトがまだビスタ対応になっていないこと、スペックが高すぎてメモリーが必要なことなどから「当分XP でいい」という個人ユーザーが多いらしい。
2007年1月30日に世界同時に大々的に発売されたビスタだが、「それほどのものでもない」との評価もこの時期になって出てきたようだ。というのも、米マーケティング会社NPDの調査で、既存OSのXPが発売されたはじめの一週間の売上本数に比べると、ビスタの売上本数が59%も少ないことが明らかになったからだ。
発売翌週には「売れ行き好調」を維持できず
Vistaの「買い時」はまだ先?
英「PC ADVISOR」は2007年2月16日、「ビスタ、XP発売開始時に及ばず」と題し、「マイクロソフトがすべて悪いということではない」としながらも、ビスタの不調を報じたほか、米「ベータニュース(BetaNews)」も「ビスタの売上はそれほどではないかも」と題し、同様の内容を報じた。
日本でもビスタの売上は発売直後から低調に転じている。調査会社BCNが2007年2月15日に発表したOS市場の動向調査結果によると、ビスタが発売された翌週の2月第1週は好調な売れ行きを維持できず、前週のほぼ3分の1に落ち込んだ。しかも、この時期のOS販売に占めるビスタの割合は、「ビスタ待望」の時期とも考えられる1月初旬のXPの割合とほぼ同じだ。2001年にXPが「待望の新OS」ともてはやされていたのを考慮すれば、人気低調といわざるを得ない状況だ。
マイクロソフト日本法人はJ-CASTニュースの取材に対し、
「売上などについては公表していないし、(「売上がXPリリース時より減少している」という)仮定を前提に話すこともできない。ただ、社内には、売上が鈍っている、マズイぞ、といった状況ではない」
とビスタの人気低調を否定している。