日本国内では相次ぐバラバラ殺人が世間にショックを与えているが、海の向こうのカナダでは、さらにスケールが大きい「49人を殺害した」という同国史上最悪の連続殺人事件の被告に対する公判が始まった。公判では「養豚場を経営する被告が遺体を豚に食べさせた」という証言が飛び出し、ホラー映画顔負けの猟奇的な犯行の様子が次々に明らかになり、衝撃が広がっている。
現地からの報道によると、同国西部にあるバンクーバー一帯では1990年代以降、60人以上の売春婦や麻薬常習者の女性が行方不明になっており、02年に養豚業のロバート・ピックトン被告の犯行が発覚、26人に対する第1級殺人の罪で起訴された。
拳銃の銃身には性的玩具が接続されていた
地元メディアの見出しには「豚が犠牲者を食べた」との文字が躍る
公判は「被害者26人分の証拠をまとめて審理するのは、陪審員にとって荷が重い」として、最初に被害者6人について審理した後に、残り20人について審理することになった。
6人についての審理は07年1月22日(現地時間)に始まり、検察側の冒頭陳述が行われた。検察側は、身分を隠した捜査官(覆面捜査官)に対して、被告が「実際に殺したのは49人で、さらにもう1人を殺害、合計50人にするつもりだった」と明かした、と述べた。他にも、検察側が被告経営の養豚場を捜索した際に、
「冷凍庫から、被害者のうち2人の頭部とその他の部分が発見された」
と述べ、現場の凄惨な状況を明らかにした。
「頭部は縦方向に切断されており、頭部のほかには、両手と、両足の前部が残されていた。頭部には、弾丸を受けた跡があった。養豚場では拳銃が発見され、その銃身には性的玩具が接続されていた。性的玩具からは、被告と被害者のDNAが検出された」
現地のメディアでは、同被告の犯行に関する証拠については、「陪審員に予断と偏見を与える」として、公判開始まで報道されてこなかった。そのため、公判で初めてこの事実を知らされた遺族にとっては、相当ショックが大きかったようだ。それを表すかのように、翌23日の審理では、傍聴席には少なくとも10席以上の空席が見られた。遺族が「凄惨な事実を目にするのは耐えられない」として、傍聴を見合わせたようだ。