期限切れの原料でシュークリームなどをつくっていたとして大手菓子メーカーの不二家が引き起こした不祥事で、福島県に本社と工場を構える「不二屋食品」が巻き込まれ、「弊社は不二家とは一切関わりがございません」と訴えている。
同社によると、不二家の一連の不祥事が明らかになって以降、問い合わせが殺到。当初2~3日は1日100件を超える電話があり、「対応に追われて仕事に支障をきたしそうなほどだった」という。
1月17日には地元の福島テレビが「Lばんスーパーニュース」で、また同20日にはTBSのニュース番組「ブロードキャスター」が、同社が不二家と関係ないことを報道している。ホームページへのアクセス件数も上がったほか、テレビ番組を見た消費者からは励ましや商品の購入希望のメールを受信。「メールは1日20件ほどあった」という。J-CASTニュースが取材した2007年1月23日には「だいぶ落ち着いてきました」としている。
福島では「シュークリームで『フジヤ』といえば当社のこと」
「不二屋食品」では、工場の様子を動画で紹介している
同社には直営店はなく、販売エリアも限定しているが、東京都内などの一部のスーパーの売り場でも「不二家と無関係」を知らせる貼り紙が下がっている。同社は「不二家とは販売ルートが違うので、売り上げへの影響はいまのところ軽微です。地元ではシュークリームで『フジヤ』といえば当社のこと。地元を大切にしています」とし、それどころか「今回の件で当社の知名度もちょっとは上がったようですし、それを売り上げにつなげたいですね」と意欲的なコメントを寄せている。
不二屋食品は、1963(昭和38)年2月創業。77(昭和52)年から洋菓子(シュークリームとエクレア)の製造を開始した。「フジモア」ブランドを展開しており、洋菓子のほか「大福」なども販売している。06年6月には「でかシュークリーム」が、お菓子の品質向上を競うモンドセレクションの「金賞」を受賞しており、おいしさと品質は折り紙つき。同12月18日には、地元・福島県産の牛乳を使った「いちごシュークリーム」を発売したばかり。同社ホームページの「工場案内」をクリックすると、シュークリームの製造過程を動画で伝えており、「品質…それが私達のほこりです」と、堂々と主張している。