朝日新聞の静岡総局長の私有パソコンから、個人情報と業務関連情報がネット上に流出した。個人情報には「(現在の)年収約1,900万円」、「将来の年収イメージ55歳2,100万円」や将来の生活設計といった項目がズラリ。新聞記者といえば、「夜討ち、朝駆け」に忙しく、お金の勘定には弱く、「将来設計」などとは無縁な存在だ、というイメージが強い。だが、実際の記者はそうでもないようで、「2ちゃんねる」では高額な給料に驚き、格差問題の「祭り」にもなっている。
退職金の見込み額、退職後の収入まで記されていた
朝日新聞総局長の高額給料に驚きの声
今回の情報流出騒動は、総局長が自宅パソコンにメールで情報を送ったところ、自宅パソコンにファイル交換ソフトWinny(ウィニー)が 入っていたため、メール110通などが流出した。朝日新聞は2007年1月16日の紙面で「05年12月から06年8月にかけて、外部筆者1人とやりとりしたメールなどが流出しており、この中には外部筆者の個人情報も含まれていた」としているが、注目されるのが、書類の形式をとった「家計情報」だ。
「家計情報」によると、40代後半の総局長の年収は約1,900万円。55歳時に2,100万円まで上昇、その後、年約175万円減少。退職金の見込み額3,000万円、退職後の収入(嘱託、年金計)が700~1,000万円 などと書かれている。
夕刊フジは07年1月16日付け紙面でこう暴露している。
「巨額の給与体系が明らかとなった(中略)支局長は都内にマンション(約6,100万円)を購入しているが、家族は公団の賃貸マンションに住ませ、所有マンションは住宅ローン返済のため賃貸に出している。支局長は4人家族。今年から2年ごとに100万円をかけて家族で海外旅行に行く『予算』までもが流出文章に記されていた」
これが本当なら、なかなか経済感覚が優れた人物といえそうだ。
「2ちゃんねる」ではこうした「家計情報」を見て「祭り」が始まっている。
「都内にマンション買ってさらに一戸建てなんてさすが朝日のエリートさんは違うなぁ」
「もう朝日は格差社会の記事書けないね」
「結局、格差社会を暴いたのは、マスメディアではなく、winnyだったって事かw」
「1900万円も年収あるなら、Winny専用のPCくらい買おうぜ!!!」
ニューヨーク特派員経験したエリート
またこんなカキコミもある。
「夕刊フジの記者必死すぎww結局、収入が高いことを僻んでるだけじゃないかw」
「給料安いので有名なのは産経らしい……」
さて、朝日新聞OBにJ-CASTニュースが取材すると、総局長はこんな経歴だった。
ニューヨーク特派員を経て科学部デスクになり、福島総局長に抜擢。06年9月からは現在の静岡総局長に就任した。静岡総局長というのは役員を何人も出した出世コースの一つで、エリート社員といってもよさそうだ。
「あの年齢で1,900万円というのは朝日新聞内でも高いような気がするが、このまま出世コースに乗っていけば、彼が年収のピークとしている2,100万円は超えるのではないか」
しかし、今回の不祥事で出世コースから外れそうだという。
朝日新聞広報はJ-CASTニュースに対して、
「現在、事実関係を調査中です。朝日新聞では06年3月から業務用に貸与されたパソコンと、業務で使う私用のパソコンについてはWinnyを禁止し、06年9月からは私用のパソコンで業務をする場合は会社に届け出ることになっています。情報流出したのがいつかも分かっていない状況ですので、現段階では、まだ処分に関するお話は出来ません」
と話している。