「Power For Living」という宗教関係の本を無料提供する、という大キャンペーンが始まっている。有名人を「広告塔」に、テレビのCMや大手新聞の全面広告をバンバン打ち、「いったい何か」と一般人を惑わせている。仕掛けているのは、米国のアーサーS.デモス財団という謎の団体だ。なにせ、本家アメリカのマスコミすら究明できないほどベールに包まれているのだ。
広告に日本ハムのヒルマン監督を起用
「Power For Living」って何者?
「世界中の何百万人もの人生を変えました」という触れ込みの「Power For Living」。この本には「あなたは神様にとって特別な存在です」「人間は誰でも心の中には、神様にどうしても頼らざるを得ない、小さな子供が潜んでいるのです」などということが書かれている。
10億円以上も投入されているという広告は、2007年1月7日から本格的に展開された。北海道日本ハムのヒルマン監督、フィギュアスケートのジャネット・リン元オリンピック選手など4人の有名人を「広告塔」として起用している。
テレビでは、「アメリカの慈善活動非営利団体として設立され世界各国で『Power For Living』を無料配布しています」というテロップが流れ、ヒルマン監督のCMバージョンでは、「私を幸運な男だという人もいる(中略) 少年時代。私が神を信じた時から、どんな試練も苦しいと感じたことはなかった」と語りが入り、申し込みのフリーダイヤルが表示される。ネットで申し込むこともできるが、本を申し込む場合には住所や電話番号という個人情報が財団に渡ることになる。
アーサーS.デモス財団とはいったい何なのか?米国の「タイム」誌が1999年12月8日号で特集した記事によれば、創始者はダイレクトメールを使った個人向けの生命保険、健康保険で大儲けしたアーサーS・デモス氏。設立は1955年となっている。