2ちゃんねるは「ハッキングから今晩のおかずまでを手広くカバーする巨大掲示板群」というキャッチフレーズを掲げ、様々な分野の議論が行われている。中でも、特に議論が盛んなのが、ニュース関係の「板」だ。これらの板では、管理人に承認された「記者」のみがスレッドを立てられるようになっており、中には、過去に数万単位のスレッドを立てた「敏腕記者」もいる。一体何者なのだろうか?
2ちゃんねるのニュース関連の「板」では、スレッドの乱立を防ぐ目的で、管理人から認められた「記者」と呼ばれる人のみがスレッドを立てられるようになっている。各スレッドの最初の書き込みに、各記者の名前が表示される仕組みだ。
これまでに立てたスレッドの数は4万を超える?
「ばぐ太」記者、今日もスレッドを立て続ける
各記者がどのようなスレッドを立てるかにも一定の傾向があり、記者ごとの特徴を開設する「newsplus人名辞典」と呼ばれるサイトも登場している(同サイトでは「コテハン」と呼ばれる、定期的に2ちゃんねるで活動している人々が紹介されている)。多数いる記者の中でも、特に目立つのが「ばぐ太」記者だ。
2ちゃんねるに関する統計情報を集めているサイト「HAUU.CC」によると、ばぐ太さんが初めてスレッドを立てたのが01年11月7日で、これまでに立てたスレッドの数は4万を超えるとされている。さらに別の統計サイトによると、ばぐ太さんがこの24時間以内に立てたスレッド数は53。27分に1本の計算だ。
このスレッドを立てる作業、ただ単にニュースサイトの見出しとリード文をコピーすれば良い、というものではない。例えば、06年11月20日、J-CASTニュースでは「首都高逆走の自転車 轢いて逮捕は理不尽だ」という見出しの記事を配信したが、その約50分後に、ばぐ太さんはこんなタイトルのスレッドを立てた。
「【社会】 "自転車で高速逆走の老人はねられ死亡→運転手逮捕"で、ネットに同情の声…警察も『個人的に、私も同情』」
記事の内容を全部読んで、要点を理解しないと付けられない見出しで、相応の能力と労力が必要とされる。それでは、この「記者」という仕事は、携わると何か良いことがあるのだろうか。
J-CASTニュースとばぐ太さんとの関係??
「ビジネスニュース+板」に立てられている記者募集のスレッドには、簡単なQ&Aがついており、こんな項目がある。
「Q:もしかしてただ働き? A:2ちゃんねるのボランティアは、全員、精神的報酬のみで動いております」
このように、「記者」は、まったくのただ働きだということがわかり、ばぐ太さんが何のために1日中スレッドを立て続けるのかは、全く分からないままだ。
なお、この募集要項によると、
「必ず生々しいPCのメールアドレスで、ご応募下さい」
と、フリーメールでの応募を禁じているほか、
「貴方が興味深かった経済に関係するニュースを三つ挙げて下さい」
と、経済ニュースについて最低限の知識を持っていることを求めている。
なお、この「ばぐ太」さんは、J-CASTニュースの記事を元にスレッドを立てることが非常に多いとされており、「マスコミ板」には、
「ばぐ太だけがどういうわけか狂ったようにスレを立てて編集長も黙認。この二人つるんで買収されてるんじゃね? ひろゆきどうにかしてくれ」
「j-castの商法を見る限り、2chをいかに商売の種にするかという思惑が全てのような状態ですから、2ch記者に工作員を送り込むか、もしくは個別に工作員にメールで連絡して、スレ一つ立てるごとにいくら払うとかの秘密契約結んでる可能性すらあると私は睨んでおります」
といった書き込みも散見される。だが、残念ながらJ-CASTニュースがばぐ太さんに「スレ立て」を依頼している事実は一切なく、何故ばぐ太さんがJ-CASTニュースをお好みなのかは不明だ。