2006世界バレー女子大会が2006年11月16日、閉幕した。ロシアは決勝戦でブラジルを下して優勝。日本はこの日、中国に敗れ6位に終わった。しかし、大会の最優秀選手(MVP)は日本の竹下佳江選手が獲得した。優勝あるいは準優勝したチームの選手がMVPになるのがスポーツ界では一般的で、6位のチームが獲得するのは異例中の異例だ。度を過ぎた「日本びいき」にメディアからも疑問の声が上がり、ネット上には実質的な主催者とも言えるTBSを非難するコメントが溢れている。
日本メディア側からも竹下選手のMVP受賞の「不透明さ」を指摘する声は少なくない。06年11月17日付の各紙は次のように報じている。
受賞者本人が「正直びっくりしています」
2ちゃんねるはTBS批判のカキコミで溢れる
「連盟によると、統括委員会が候補をノミネートし、記者投票を経てMVPを承認する。だが得票数などは『公表する必要はない』と話すなど苦しい説明に終始した」(スポーツニッポン)
「このMVPの不透明な選出方法には海外メディアからも紛糾の声が上がっていた」(日刊スポーツ)
「地元開催とはいえ、竹下本人が『正直びっくりしています』と驚きを隠せない、意外な結果となった。(中略)記者投票は、新聞やテレビなど報道機関ごとの票数に制限はなく、投票資格も定められていない」(朝日新聞)
さらに、産経新聞は「疑問残したMVP選出」と題し、「選ばれた竹下に罪はないが、疑問は残った」と選出方法を厳しく批判。「開催国の選手と優勝に貢献した選手の比較で前者が選ばれるのかはいかがなものか」としている。さらに、決勝戦が、日本対中国の「5,6位決定戦」の「前座」という扱いだったことにも触れ、
「テレビ放映もからんだ”配慮”はあるだろうが、それが日本のバレーのためになるかどうかは疑問である」
と大会の運営にも苦言を呈した。