一時国有化された足利銀行の受け皿候補として名乗りをあげている、横浜銀行や千葉銀行などの「地銀連合」への出資者が殺到している。「間違いなく儲かる」と見ているからだ。
地銀連合は横浜、千葉、常陽(茨城県)、群馬、八十二(長野県)、山梨中央、東邦(福島県)、静岡の8行が、足利銀行の受け皿として共同持ち株会社を設立して運営する。足利銀行を譲り受けるには4,000億円程度の資金が必要で、日興シティグループ証券が生・損保などに出資を呼びかけていた。
「勝ち馬」に乗ろうと、出資者はまだ増える
足利銀行受け皿に出資者殺到
その結果、現在は日本生命や第一生命、明治安田生命、東京海上日動火災保険、新生銀行、住友信託銀行、中央三井キャピタル(中央三井信託銀行の投資会社)、米投資ファンドのKKRジャパン、日本政策投資銀行などが資金の拠出を決定あるいは検討、というラッシュ状態だ。
J-CASTニュースの取材に対して、日本政策投資銀行は「どこから漏れたのかわかりませんが、いまのところ申し上げることはありません」としている。ただ、同行は栃木県の地域ファンドに出資し鬼怒川温泉の地域再生に取り組むなど、これまでも地域を支援してきた経緯があり、関心をもっていると思われる。
「地銀8行の顔ぶれはそうそうたるもの」(大手銀行の幹部)なので、日本生命や明治安田生命、東京海上日動など生・損保は出資を通じた地銀との関係強化によって、保険商品を拡販するのが狙いと見られている。
住友信託銀行は「純投資としての魅力はある」と出資を検討中。一時国有化されて再上場した新生銀行、また2006年11月14日に再上場するあおぞら銀行の例をみても、「間違いなく儲かる案件」(地銀幹部)。日興シティの呼びかけに、続々と出資者が現れたのも当然の成り行きで、「勝ち馬に乗ろうと、出資者はまだ増えるのではないか」(メガバンクの幹部)との見方もある。