育休前の賃金の4割だった育児休暇中の雇用保険助成額を、最大7割に引き上げる新たな支援制度が2007年度から実施される。経済的な理由で出産をためらう人を後押しし、少子化対策の強化を図るためで、厚生労働省が06年10月17日に明らかにした。
雇用保険には「育児休業基本給付金」という制度があるが、現状は育休前の賃金の4割しか保障されていない。企業が支給の上乗せを3ヶ月以上実施した場合に、大企業には上乗せ分の半分を、中小企業には3分の2を雇用保険から助成する。助成分は育休前賃金の3割が上限で、雇用保険が最大で実質7割を負担することになる。
新制度で育児休暇の取得率を上げる狙い
厚労省、育休の助成額を引き上げへ
この支援制度は男女に関係なく施行される。厚生労働省はJ-CASTニュースの取材に対し、
「05年度調査で育児休業取得率は女性が72.3%で、男性は0.5%だった。07年度の新制度導入で、男女ともに育児休暇の取得率を上げ、少子化対策につなげたい。また、中小企業への助成金を高く設定しているのは、多くの企業にこの制度を利用してもらうのが狙い」
と話した。
厚労省は年末をメドに新制度の概要をまとめ、07年10月からの支給を目指す。初年度は1万人程度の利用を見込み、約12億円の助成規模になる。財源は「雇用保険3事業」の利用率の低い助成制度を改廃して捻出する。