ボクシングの亀田興毅選手が疑惑の判定で「王座獲得」を果たして以来、ブーイングが止まらない。番組を放送したTBSにはもちろん、スポンサー契約を結んでいる企業にもクレームが相次いでいる。株価も下落気味で、「亀田銘柄」は逆風にさらされている。
大手コンビニのローソンは2006年7月25日、亀田選手の応援企画「亀田の夏祭り」を3週間限定で開始、亀田選手にちなんだネーミングの「チャンピオン『獲っタルぞ!弁当』」、好物の納豆にとろろ芋を合わせたスタミナサラダ「浪速乃闘拳サラダ」などを発売した。
「ダーティーなキャラを選ぶとは、株主を馬鹿にしている」
ローソンの「亀田の夏祭り」キャンペーン製品。「オレも納得(納豆食ぅ)!!」などのキャッチフレーズが並ぶ
ところが世界戦以降、このキャンペーンに対して、批判が相次いでいる。例えば、ある株式掲示板では、こんな具合だ。
「イメージキャラクターをきちんと選定するのも重要な企業戦略だろ。これだけダーティー(試合前からだけど)なキャラを選ぶとは、株主を馬鹿にしているのか?株主の利益を考えるなら、即刻、関係を絶つべきだろ」
「さすがに八百長試合を見せられて、そのスポンサー企業の商品を買う気持ちにはなれません」
このような動きの中でも、ローソン広報部ではJ-CASTニュースの取材に対して「キャンペーンの期間を短縮する予定はありません」と話していた。
ところが、「亀田の夏祭り」のキャンペーンページが削除されていることを指摘すると、「本当ですか?!」と動揺、広報部でもページの削除を把握していない様子だった。しばらくして、改めて
「当初から、試合が終了したタイミングで削除の予定でした」
という不思議なコメントが返ってきた。
株式市場からも値下がりというブーイング
「亀田叩き」の矢面に立たされているのは、ローソンだけではない。亀田選手はシュガーレスガム「XYLISH(キシリッシュ)」のCMに出演しており、発売元の明治製菓への批判も厳しい。掲示板では、こんな声が相次ぐ。
「誰が見ても粉飾試合!CM見たらみんな買わなくなるぞ。この商品もこの会社も粉飾じゃないのかって思われる。イメージ最悪!」
「外国から来た対戦相手に対してあのような悪態をつく人間をなぜCMに使う?」
明治製菓のIR・広報室はJ-CASTニュースの取材に、
「確かに、『判定がおかしい』という電話はありました。ですが、特にCMの放映期間を短縮する、といった話は今のところありません」
と、こちらも静観の構えだ。
亀田選手とスポンサー契約を結んでいるパチンコメーカーの京楽産業にも、100通程度「判定がおかしい」という趣旨のメールがあり、その中のいくつかは、同社スポンサー契約に対する批判だったという。しかし、「スポンサー契約は、少なくとも契約更改時期までは、これまで通り継続します」(企画部広報室)と話している。
ちなみに、ローソンと明治製菓の株価だが、8月4日の終値でローソンは3910円、明治製菓は581円。それぞれ前日比10円安と8円安だった。いわば「市場からのブーイング」だ。一般消費者相手の商売だけに、両社とも厳しい立場に追い込まれている。