ホリエモン 「カリスマ」は消えず

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   山崎豊子さんのベストセラー小説「沈まぬ太陽」が最近また売れている。出版元の新潮文庫では2006年6月1日に約4万部(全5巻計)の増刷をする。きっかけは、ライブドア元社長の堀江貴文被告がこの本を留置所で読んで感動し、涙を流したという報道だ。ホリエモンは現在も「経済効果」を発揮している。

山崎豊子さんのベストセラー小説「沈まぬ太陽」。飛行機事故を描いた第3巻が一番売れているという
山崎豊子さんのベストセラー小説「沈まぬ太陽」。飛行機事故を描いた第3巻が一番売れているという

   「沈まぬ太陽」は99年に単行本化され(全5巻)、01年に文庫版も出て、計250万部を超える大ベストセラー。日航ジャンボ機墜落事故をテーマに、企業の腐敗に真っ向から立ち向かう労働組合委員長が主人公。墜落事故は利潤追求を最優先した結果だとし、世の中の不条理性に翻弄されながらも戦いを挑む姿が描かれている。「会社の社会倫理を鋭く抉り出した作品」としての評価が高い。

20代など若い年齢層を中心に話題になる

   ホリエモンは獄中で200冊の本を読み、特に感動したのがこの本。「出所後には御巣鷹に山登りがしたい」と弁護士に話した。その発言にマスコミが食いつき『沈まぬ太陽、というのは自分のことか?』、否認を続けているのにも『小説の主人公が体験した不条理を、自分の境遇と重ねているのか』などの反応を示した。そんなこんなで、20代など若い年齢層を中心に話題になり再び読まれるようになったのだという。 06年5月21日、小説の舞台の御巣鷹山に登り売上がさらに伸びた。
   出版元の新潮文庫編集部は、
   「コンスタントに売れてきた本ですが、06年4月に入って売れ行きが2倍になった」と、JINビジネスニュースの取材に答えた。事故が起きた夏には注文が多くなる本だが、春に売れたり、またその事故を描いた第3巻が最も売れたりと珍しい状態になっているという。4月には各8,000部、この6月1日にも同8,000部と増刷が続いている。

「当社の営業部も、書店さんに対し“ホリエモンで話題の本です”などセールストークに使っているようです」。

   新潮社もホリエモンの“経済効果”に期待しているようだ。

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