国内に弱いホンダ 販売網再編に乗り出す

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   本田技研工業が日本国内における4輪車販売網の再編に乗り出す。新車販売の伸び悩みと市場の成熟化に対応して経営効率化を迫られた格好だ。

   取り扱い車種ごとに「ベルノ」「クリオ」「プリモ」と分かれる現行の3系列体制を2006年3月に統合してチャネルブランドを「ホンダ=HONDA」に一本化する。さらに、北米、中国で展開する高級車チャネル「アキュラ」を、08年秋をめどに国内にも導入する。

国内新車販売は01年をピークに失速

ホンダの高級車ブランド「アキュラ」は08年秋にも国内で売り出される
ホンダの高級車ブランド「アキュラ」は08年秋にも国内で売り出される

   ホンダは4輪車参入後の78年に「ベルノ」店を開設。84年には「クリオ」店、さらに翌85年には軽自動車専売の「プリモ」店を新設して、3チャネル体制を構築した。現在の拠点数は「ベルノ」1494店、「クリオ」511店、「プリモ」399店の計2,404店。シェアトップのトヨタ自動車(4,400店)や2位の日産自動車(3,000店)に次ぐネットワーク規模だ。
   しかしホンダの国内新車販売は01年の90万台をピークに失速。好調な北米市場などをよそに05年も前年比3.1%減の72万台にとどまり、1店舗当たりの年間販売台数は300台とトヨタの約4分の3の水準にまで落ち込んだ。業界関係者は「国内事業の営業利益は、輸出を除くと、05年3月期で300億円と連結営業益(6,309億円)のわずか5%弱。系列ディーラーの半数近くが慢性的な赤字体質だ」と見ている。
 ホンダ系ディーラーの多くは、2輪車専業メーカーだったホンダの系列販売店が母体となって発足した。このためトヨタ系各社と比べて収益・財務基盤は脆弱だ。ホンダが毎期多額の販売インセンティブを投入して事実上、その経営を下支えするという「薄氷のチャネル運営」(ホンダ幹部)が続いていた。今回の販売網再編は、国内市場のパイが頭打ちとなるなか、こうした"支援策"がもはや限界点に達したことを意味する。

姉妹サイト